【事例03】RPA導入により、案件毎・取引先毎に損益を「可視化」。リアルタイムな閲覧が可能に

RPA導入事例

経営戦略を立てる上で最も必要となる損益データを、RPAにより自動的に「可視化」。案件毎・取引先毎等、さまざまな角度からリアルタイムに損益データを抽出できます。その具体的事例について、詳しく解説します。

■ 《お客様の課題》専任の経理担当者がおらず、社長に業務負担が集中していました

従業員約10人のT設計事務所様では、専任の経理担当者を置かず、社長様が自ら経理業務を行っておられました。この規模の企業様では通例の事ですが、その社長様から、

「毎日雑事に追われて、経営に専念することができません。RPAで会計業務を自動化することで、業務負担を軽減することはできないでしょうか?」

とのご相談を受けました。

早速、弊社のRPAコンサルタントが訪問、ヒアリングを行う中で次のような問題点が明らかになりました。

  • 損益が「どんぶり勘定」になっており、各案件毎や取引先毎の黒字・赤字や予算対比が把握されていない
  • そうした原価管理の資料を作るには膨大な手間暇がかかるため、現状の人員体制で実行することは不可能

■ 《アドバイス》RPA導入により仕訳入力を自動化し、損益を「可視化」することが可能

ミニコンデジタルワークでは、今回、RPAによる仕訳の自動化と同時に、原価管理を自動化する専用RPA「サポートOne」の導入をご提案させていただきました。

【専用RPA「サポートOne」で、会計仕訳から原価管理資料を自動作成】

  • まず、所定のExcelフォーマットにより、下記の各ファイルを作成。

金銭出納帳」「預金出納帳」「買掛金・未払金一覧」「作業日報

各ファイルには、取引ごとに、その「支出・収入額」と「受注番号/取引先番号」等を記録していきます。

  • また、作業日報には、担当者名と「開始時間」「終了時間」をスタッフ自身が記入。これを自動仕訳RPAが読取り、予め設定した時給単価を掛け算することで、案件毎や取引先毎に投じられた人件費等を自動的に計算することが可能です。
  • 資料作成RPAは、会計ソフトの機能を使って、部門番号や原価管理番号をキーに「部門別損益計算書」や「摘要損益計計算書」を自動作成します。
  • さらに、資料作成RPAは、これらの計算書を元に、原価管理項目毎や担当者毎に「予算実績対比表」や「原価管理表を自動作成します。

この提案を受けた社長様は、

「各Excelファイルへの入力は1日当たり数分で済みますし、スタッフが行う作業日報への入力もほんの数十秒。これなら、手間なく使えそうですね」

とご納得いただき、システム導入が決定しました。

■ 《過程》簡単なヒアリングだけで、専用RPA「サポートOne」を導入

この原価管理システムは、外注費や交通費といった外部コストはもちろん、内部コストである人件費も含めて原価管理できるため、サービス業への導入にも効果的です。

また、どんな業種・業態の企業にも共通する基本的なシステムであるため導入が容易で、T社様へも簡単なヒアリングと、3カ月の開発期間だけで導入を実現できました。

■ 《結果》従来、10日間かかっていた伝票の入力・整理作業がゼロになりました

今回のRPA導入により、T社様では案件毎・取引先毎の損益をリアルタイムで参照することが可能になりました。

「この案件は、多くの外注費や人件費がかかっているのに赤字だ」ということが可視化され、

「どのような業務を受注し、どのような仕事は敬遠すべきか。明確な根拠に基づいて経営戦略を立てることができるようになりました。例えば、『今回は、技術習得のため〇百万円まで赤字覚悟で受けよう』といった先を見越した戦略にも、前向きに挑戦できます」

と、お喜びいただいた事例になります。

■ 《導入のポイント》人件費の時給単価の設定方法について

RPAに予め設定する人件費の時給単価は、年収400万の人なら「時給2,000円」、年収600万円の人なら「時給3,000円」が目安となります。実際は、各スタッフに対して国に収める社会保険料や間接経費を考慮する必要がありますので、それぞれ2.5倍の「5,000円」「7,500円」を単価として設定すると良いでしょう。

このように、ミニコンデジタルワークでは、専用RPAシステム「サポートOne」を活用し、経営戦略の立案と実行に必要なさまざまなソリューションをご提供しています。

DXによる抜本的な業務変革をご希望の方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。

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